スタートアップ

AICPA 会計に関するスタートアップ3社を表彰

会計監査業界でのオープン・イノベーションが進んでいます。これは日本に限ったことではなく、グローバルな流れです。会計監査がテクノロジーに特化するためにスタートアップを欲しているのです。今回はAICPAが取り組んでいるアクセラレーションプログラムについて取り上げます。

AICPAの取り組みの概要

米国公認会計士協会(American Institute of Certificated Public Accountant: AICPA)とCPA.comは会計分野のスタートアップ企業に対するアクセラレーター・プログラムを実施しています。

公式サイトによると、このプログラムを勝ち抜くことで企業には次の3つの特典が手に入るとのことです。

賞金 表彰された企業には25,000ドルが提供されます。
アクセス・紹介 企業・協会メンバー・顧客などが紹介してもらえます。
知識提供 専門分野に関する知識・コーチング・メンタリングが受けられます。

やはりアクセス・紹介のメリットが大きいでしょう。会計監査業界をターゲットにしたスタートアップにとって、AICPAからお墨付きをもらって紹介してもらえることのメリットは計り知れません。

プログラムの重点領域

この取り組みは、会計業界全体でのスタートアップ企業への支援を意図しており、現時点で特別に力を入れている領域は以下の二つです。

FinTech

ファイナンスの専門家が日常的な業務から解放され、より高付加価値な業務に集中できるようにする。具体的には以下のような項目が挙げられる。

  • 日常的な会計業務の自動化
  • ブロックチェーンと情報共有の仕組みの確立
  • 意思決定分野へのAIの役立ち

最近のトレンドであるRPA・ブロックチェーン・AIを会計監査の局面(自動化・情報共有・意思決定)で用いられることが求められています。

EdTech

会計・財務の専門家がその能力を開発し・成長させ、測定するために役立つツールとプラットフォームを提供する。具体的には以下のような項目がある。

  • 機械学習を用いて各人に適した教育を提供する
  • プロフェッショナルの能力成長を測定する
  • 専門家、メンター、メンティーを繋げる

こちらは会計士という人材を業界全体で育てていこうという意図が読み取れます。会計のプロフェッショナルにふさわしい教育を提供し、その能力を伸ばし、そして適切な能力を持つ人同士をつなげるのです。

2019年の表彰企業

それでは2019年のプログラムで表彰された3社を見てみましょう。どれも会計監査業界の未来を感じさせるサービス・プロダクトを提供しています。

Client Hub

Client Hubは会計士と顧客が情報を共有するためのワーク・スペースを提供するコラボレーション・ツールです。会計プロフェッショナルは多くのゼネラリストを抱えていた従来の在り方から、多くのスペシャリストがオンラインでコラボすることで顧客により高い価値を提供できるように変化していくでしょう。

Dryrun

Dryrunはキャッシュ・フローの管理と財務予測を行うためのソフトウェアです。こちらはデジタルCFOといえば最もイメージが付きやすいでしょうか。よりわかりやすく、よりスピーディーな経営数値の把握が可能となります。

Gappify

Gappifyは時間のかかる繰り返し作業やプロセスの自動化・合理化をしてくれます。以下のような業務を自動化してくれます。

  • 買掛金の支払に関する問い合わせへの回答
  • 売掛金の回収のフォローアップや超過・未払いの照会
  • 総勘定元帳に関する自動化

グローバル・トレンドから日本を考える

AICPAが表彰したスタートアップ企業はどれもイケてます。動画をちらっと見てもサイトを見てもサービスをみてもレベルが高いです。英語で提供されているという言語の壁が取り除かれてしまえば、日本の会計士・ベンチャーには打つ手がないような気すらしてきます。

ここから日本の会計士業界・スタートアップはどのように取り組むべきなのでしょうか。全くの独自ツールを作り出すことを目指すべきでしょうか。グローバルのツールを固有化することを考えるべきでしょうか。どのアプローチをとるかは人・組織それぞれですが、いずれにせよよりIT×会計が議論されるべきでしょう。

日本におけるテクノロジーと会計監査のコラボレーションがより活発になることを願っています。最後まで読んでいただきありがとうございました。

https://kaikei.feedm8.com/archives/275/eystartupaward/